夜中に足がつる…「こむら返り」はなぜ起こる?
いよいよ、夏本番🌞つらい季節が来ましたね🥵
夜中に突然、ふくらはぎが強くつって目が覚めた経験はありませんか?「こむら返り」は、筋肉が自分の意思とは関係なく急激に収縮してしまうことで起こる筋けいれんです。数十秒から数分で治まることが多いものの、強い痛みを伴い、その後もしばらく筋肉に違和感が残ることがあります。
こむら返りは年齢を問わず起こりますが、特に中高年の方や妊娠中の方、運動をする方(普段はあまり運動しない方が急にした場合も含みます)によくみられます。
最も多い原因は、筋肉の疲労や脱水です。長時間の立ち仕事や運動、暑い日の発汗などによって体内の水分やミネラル(電解質)のバランスが崩れると、筋肉や神経が興奮しやすくなり、けいれんが起こりやすくなります。また、寒い季節や冷房で足が冷えることでも筋肉が緊張し、症状が出ることがあります。
しかし、こむら返りを繰り返す場合には、病気が隠れていることもあります。代表的なのは、肝硬変などの肝臓の病気や慢性腎臓病です。これらの病気では、筋肉や神経の働きに影響が及び、こむら返りが起こりやすくなります。また、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの電解質異常や、糖尿病、甲状腺の病気、末梢神経障害などでもみられることがあります。利尿薬など服用中のお薬が原因となることもあります。
意外な原因として、鉄欠乏性貧血が隠れていることもあります。鉄は赤血球を作るだけでなく、筋肉や神経の働きにも重要な役割を果たしています。特に女性では月経などによる鉄不足が原因となることがあり、採血で初めてわかることも少なくありません。
夜間に足の不快感が強く、「じっとしていられない」「足を動かすと楽になる」といった症状がある場合は、むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)の可能性も考えられます。また、睡眠中に本人は気づかないまま足がピクピクと規則的に動く周期性四肢運動症という病気もあり、睡眠の質を低下させる原因になります。これらは鉄欠乏を伴うことも多く、こむら返りと間違われることもあります。
予防の基本は生活習慣の見直しです。まずはこまめな水分補給を心がけましょう。汗を多くかく季節や運動時には、水分だけでなく適度な電解質の補給も大切です。また、運動前後や就寝前にふくらはぎや太もものストレッチを行うことで、筋肉の柔軟性が保たれ、こむら返りの予防につながります。冷えやすい方は、入浴やレッグウォーマーなどで足を温めることも効果的です。
例として、ふくらはぎがつってしまったときは、慌てずに足首をゆっくり手前に引き寄せ、ふくらはぎを伸ばすようにすると、多くの場合は症状が和らぎます。無理に力を入れるとかえって悪化することがあるため、ゆっくり伸ばすことが大切です。
治療では、「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」という漢方薬がよく使われます。筋肉の異常な収縮を抑える作用があり、症状が出たときに服用すると比較的早く効果が期待できます。ただし、甘草という生薬を含むため、長期間続けて服用すると血圧上昇やむくみ、低カリウム血症などの副作用が起こることがあります。毎日のように服用が必要な場合は、自己判断で続けず、原因を調べることが大切です。
こむら返りの多くは心配のないものですが、頻繁に起こる、両足だけでなく全身にけいれんが起こる、筋力低下やしびれを伴う、日常生活や睡眠に支障が出るといった場合は、一度医療機関で相談することをおすすめします。生活習慣の改善だけでなく、採血などで原因を調べることで、思わぬ病気が見つかることもあります。「年のせい」と決めつけず、気になる症状があればお気軽にご相談くださいね。