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胸やけやげっぷで悩んでいませんか

2026年になり、もう半月がすぎましたね。
朝晩はとても冷え込みますから、寝床は暖かくしてください。

 年末年始に食べ過ぎたりはしませんでしたか?食べ過ぎ飲み過ぎの翌朝などに胃がもたれますよね。胸やけ(胸の奥が焼けるような感覚)やげっぷが増えたり、場合によっては喉の奥が苦かったり酸っぱかったりイガイガしたりするかもしれません(呑酸といいます)。ときには長く続く咳の原因になったり、胸が痛くて狭心症ではないかと心配される方もいたりします。

 原因は食道への胃酸の逆流、いわゆる逆流性食道炎です。

 本来、胃袋の入り口は巾着袋の口のようにギュッと締まっています。その入り口が年齢とともに緩みやすくなったり、大量の胃袋の中身の圧に負けて開いてしまったりします。その胃袋に、脂っこいもの、消化に時間がかかるもの、辛いもの、アルコールなどの、胃酸の量が増えてさらに酸っぱくさせる食べ物や飲み物がたくさん入っていると、開いた入り口からとても酸っぱい胃酸が食道側に戻ります。
 胃の粘膜は粘液を出しているので胃酸に負けませんが、食道は粘液がないので一気にただれ、痛みを生じるのです。

 治療法は生活習慣の改善と胃酸を中性に近づけるお薬です。手術による治療もありますが、最重症の場合のみ適応となります。

 胃袋の入り口は横隔膜という呼吸するための筋肉でギュッと締まっています。横隔膜は不随意筋といって、人間の意志で動かすことのできない筋肉なので、残念ながらトレーニングすることができません。ですので、緩んでしまったら鍛えて治すということができないのです。まずは緩まないように予防することが重要です。緩む原因は、年齢による筋力の低下、食べ過ぎによる胃袋の中の圧の上昇、急激な体重増加で内臓脂肪が増えたり背骨が曲がったりしておなかの空間が狭くなることです。年齢に逆らうことはできませんが、食事は腹八分目にする、体重の管理をする、腹筋や背筋を鍛えて姿勢を良くすることなどで、できるだけ緩まないようにすることができます!

 それ以外に生活習慣の改善で有効なのは、食べた後すぐごろごろしないことです。食べた後すぐ寝ると牛になるといわれますが、牛はむしろ胃の中身を反芻(胃の中身を口の中に戻してまたモグモグすること)しているので、逆流性食道炎とは無縁です。人間は食べてすぐごろごろすると、胃酸が重力に従って胃の方に逆流してしまいます。少なくとも、食後1~2時間は座って過ごすようにしましょう。そのためにも夕食の時間は早めがいいですし、飲んだ後のラーメンなどはまさに大敵です。

 食べるものにも注意が必要です。先にも書きましたが、脂っこいもの、消化に時間がかかるもの(固形の肉、ハム、かまぼこなど)、刺激物(香辛料、カフェイン、ミント)、アルコールは胃に長くとどまったり、胃酸がたくさん出たりするので、逆流性食道炎を起こしやすくなります。これ以外のものでも、よく噛まずに呑み込んでしまうと、胃への負担が大きくなり、消化時間が長くなります。とくに食後の時間が短く、すぐに横になる可能性が高い夕食は、上記のものを控えて、よく噛んで食べるといいですね。

 これらに気を付けても改善しない場合や、症状が強く早く治したい場合は、胃酸を中性に近づけるお薬を内服します。逆流することは防げないけれど逆流するものが水に近ければ痛みは出ないという仕組みです。代表的なお薬にH2受容体拮抗薬(ガスターなど)、プロトンポンプ阻害薬(タケプロンなど)があり、これらは処方箋がなくてもドラッグストアで購入することが可能です。処方箋がないと内服できないP-CABという、胃酸の酸度を下げる効果が非常に高いお薬もあります。

 逆流性食道炎のような症状はあるけれど、まぁ我慢できるからいいや、と思う方もいらっしゃるかもしれません。でも実は、逆流性食道炎を長期間放置していると、「バレット食道がん」という特殊な食道がんのリスクが上がります。タバコやお酒が好きな方がなりやすい食道がんは『扁平上皮癌』という種類ですが、「バレット食道がん」は『腺癌』という種類で日本人には珍しい食道がんです。がんのリスクを上げないためにも、もちろんおいしくご飯が食べられるためにも、逆流性食道炎は放っておかない方がいいのです。

 ご飯をおいしく食べたい!朝の胸やけが怖くて好きなものを控えているという方は、ぜひ、医師までご相談くださいね。きっと「胸のつかえ」が楽になりますよ☺️

林田医院

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